とりすみコラム

最も重い木材を競い合う3樹種

・ヤエヤマコクタン (最も重い木材の一つ)

八重山黒檀(ヤエヤマコクタン)はカキノキ科カキノキ属の常緑高木です。気乾比重は、0.74から1.21あり、非常の硬く水に沈みます。
 奄美大島から沖縄にかけて分布し、山地に生えます。また、街路樹や庭園樹とされています。別名を琉球黒檀(リュウキュウコクタン)と言われます。環境省のレッドリスト(2012)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されています。樹高は5メートルから10メートル程で、樹皮は黒灰色で平滑。葉は長い楕円形で、互い違いに生え、葉の質は革質で分厚い。葉の先は尖らず、縁にぎざぎざ(鋸歯)はありません。用途は楽器の三線(さんしん)の竿や家具材、床柱、小物飾りなどに利用されています。

  

 

 

・イスノキ (最も重い木材の一つ)

イスノキはマンサク科イスノキ属の日本の照葉樹林帯に分布する常緑高木です。気乾比重は、0.75~1.02。

東アジアの温暖帯から亜熱帯に分布し、日本では本州、関東南部以西、四国、九州、琉球、伊豆諸島御蔵島に分布する。照葉樹林の主要な構成種の一つであるが、瀬戸内沿岸地域ではあまり多くはなく、岡山県で見ることはほとんどありません。
 樹高は15m以上、直径1mを超え、カシ類と混生して照葉樹林を構成することも多い。幹は少し赤色がかり、独特の樹肌の模様となります。葉はあまり特徴のない形で、厚みがあり、光沢が強い。

葉の表面が丸くふくれた樹を見たら、それはまずイスノキです。イスノキは葉や枝に虫えい(虫こぶ)がつきやすい樹で、虫によって虫えいの形がいろいろあります。大きくふくらんだ虫えい(虫こぶ)が木質化したものを笛のように吹くと音が出るのでヒョンノキといいます。材は国産材のなかで最も固く釘も打ち込みにくいほどといわれ、建築、器具、杓子、櫛、数珠玉、楽器(琵琶、ギター、三味線)、木刀、拍子木、ぬんちゃくなどに使われています。

大昔、宮中や大奥に納められる櫛はイスノキ製であったそうです。

   

 

・オノオレカンバ (最も重い木材の一つ)

斧折樺(おのおれかんば)はカバノキ科の落葉高木です。気乾比重は0.84~0.99。

高さ15メートル以上になり樹皮は暗灰色で、粗く割れます。小枝は細く、暗褐色で、若いときには腺点(せんてん)および毛があります。葉は長卵形で、縁(へり)には細かい鋸歯(きょし)があり、先がとがり基部は円い。材が堅く、切るとき斧(おの)が折れるほどだというのでこの名がついています。略してオノオレともいいます。中部地方以北の本州に分布し、岩の多い山地や岩壁、露頭などに生えます。材が堅いので、印鑑、箸、しゃく、そろばん玉、器具、櫛(くし)などの細工物に用いられています。

  

 

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